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平成24年 慢性期医療学会

心に残るエンゼルケア~家族の思いを聞けたこと~


発表者 看護師 永田 規子

はじめに】
当院は、180床の医療療養型病院。看とりに関しては平成22年よりグリーフケアに繋がるエンゼルケアを行っている。今回家族とともにケアを行い印象に残った事例を報告する。

【倫理的配慮】
事例をまとめるにあたり患者の家族に主旨を伝え同意を得た。

【事例】
H.Mさん。81歳女性。 
胃癌の末期で、通過障害、癌性腹膜炎を併発、在宅での療養が困難なため平成23年6月30日当院に転院。病状は徐々に悪化、2週間後家族に見守られながら永眠。

【看護の実際】
Mさんの退院の準備をさせて欲しい事を家族に伝える為病室を訪問。付き添いをしていた家族が亡くなったMさんをカメラに収めていた。真剣に撮影している家族を見て、撮影をしてはいけないという決まりはないので、家族が満足していただけるケアを一緒にしようと考えた。家族と一緒にシャワー浴、メイクを行った。ファンデーションや頬紅の色一つ一つを家族と確認。口紅は2人のお孫さんに選んでもらった。紅筆を持つ手は震えていたが、涙を流しながら、丁寧に口紅を差してくれた。ベッドから葬儀社のストレッチャーへの移動は抱きかかえで家族に行ってもらった。
Mさんの最後に多くの家族が関わり、よい看とりケアができたと思ったので、家族の気持ちを聞いてみたくなり電話をした。「病院を出るまえに看護師の方が支度をされるということにまず驚いた。早く病院を出されることばかり考えていたのでそのような時間を病院で過ごせるとは全く予想していなかった。母の死を受け入れる準備ができた」等の話を聞くことができた。

【終わりに】
直接聞かなければ知ることもできなかった家族の思い等を改めて知ることができたことは自身の看護師人生において大変有意義なことだった。今後も看とりにおいては、家族が最期のケアに携わっていただけるよう「是非一緒に」そして「今が温もりを感じられる時です」との言葉かけを大切にしていきたい。

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