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平成27年9月 慢性期医療学会


歯科衛生士さん、お願いします」から「やってみます」に変ってきた口腔ケア
発表者 歯科衛生士 石黒幸子


【はじめに】
療養型病床の当院では180床に歯科衛生士が1名配置されている。以前から看護部職員との連携の部分で難しいところがあり、口腔ケアの質の向上に結びついているとは言い難い状況であった。そこで、コミュニケーションを積極的にとり、情報の共有化を図る等の関わりを続けてきた。今回、その効果を検証するため、看護部職員の口腔ケアに対する意識の変化について調査したので報告する。

【方法】
調査期間:平成27年4月1日から4月24日、調査対象者:病棟看護職員40名および介護職員47名、調査方法:「口腔ケアの取り組みについて」のアンケート調査。

【結果】
「歯科衛生士が入院時から看護部と連携して口腔ケアを実施しているシステムについてどう思うか」の問いに対し、看護職員は、良い・やや良い77%、悪い3%、介護職員は、良い・やや良い72%、悪い0%。良いの回答理由は「口腔ケアに対して漠然と行っていたが、重要性を考えるようになった」「患者一人ひとり違う。今後も分からない時は教えて欲しい」等であった。

【考察】
患者の口腔ケアを歯科衛生士だけに任せるようであっては、病態と口腔の関わりの視点からみれば良くないことである。また歯科衛生士1人で出来ることの限界もある。この3年間、口腔ケアマニュアルの改訂、口腔ケア委員会の委員長、新人職員への口腔ケア指導チェックリストの作成等、根気強く業務改善に取り組み、看護部職員へ関わってきた。その結果として、調査結果にも表れているように、口腔ケアに対する重要性を看護部職員が意識するようになってきている。また歯科衛生士がやればいい、というような依存ではなく、「教えてもらいたい」という姿勢も見られることは効果があったと考える。